「やめやき」、知らなかったの私だけ?
こんにちは!地域おこし協力隊の吉成です。
「よし、これから横手を盛り上げるぞ!」という意気込みとは裏腹に、毎日コロナのニュースがひっきりなしです。
そうした中でも少しずつ落ち着きを見せ、秋田県ではイベント開催に関して規制を緩和するというニュースも流れましたが…
残念ながら、12月8日(水)に開催を予定されていた「病焼きで疫病退散!横手駅東西口祭」 特別企画/YOKOTE STATION プロジェクションマッピング は「オンライン発信のみ」となり、リアルイベントは中止となりました。
オンライン配信はこちらから
https://youtu.be/XmpKy7htT8Q
ただ皆さん!
今回のお祭りのタイトルにもある「病焼き(やまいやき)」という言葉、耳にしたことはありますか?
実は私、恥ずかしながら、初めて聞いた言葉でした。
高校生まで横手に住んでいながらも、こんな風習があったことを知らず…。
…これから地元を知っていく振り幅があるのは協力隊として非常にラッキーなことと、ポジティブに捉え(笑)、
今回は私の知らなかった「病焼き」について、ちょっと深堀りしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
横手のおやき文化、知ってました?
まず、「病焼き(やまいやき)」は秋田弁で「やめやき、やめやぎ」と言います。
秋田県南部の風習で、12月8日に健康を願い、おやきを食べる日。
昔、この日は「薬礼の日」といい、1年間の医療費をまとめて支払う日でした。
米の収穫が終わり、お金が入る時期に合わせ、お医者さんたちが徴収に来たわけですね。なんだかとってもシビア…。
体の悪いところをお餅に乗り移らせ、真っ黒に焦がし、家族や地域の方々の無病息災を祈りながら、川に流したりもしたそうです。

地域によっては、豆腐で作っていたところもあるんだとか。白ければ良いという考えもあったんでしょうね。
昔は、ただのお餅を焼いていたそうですが、時代が進むにつれて、川に流す文化にも変化が訪れます。
川にお餅を流さない家庭が増え、そのお餅を美味しく食べようとあんこを包み、今ではおやきを食べる風潮になったんですね。(※おやきを川に流している地区もあります。)
ちなみに!
おやきの発祥地は信州。野菜を小麦粉で包んだおまんじゅうが最初のおやき。
時代と共に普及し、味もその土地その土地で変わっていったのでしょう。

「佐貫食品」さんへ行ってきました!
横手のおやきの味を守っている人にお話しが聞いてみたい!と思い、今回、大森地区で和菓子屋を営んでいる 「佐貫食品」 さんへお邪魔させていただきました。

佐貫食品は創業約40年。
先代の時には色々なお菓子を製造されていたそうですが、今はおやきと三杯ミソとミソ餅のみ。
(店頭にはみたらし団子も並んでありましたが、製造は大仙で行っています。)

2代目店主・柿崎裕貴さん。
同世代ということもあり、和やかに取材がすすみました。
現在はお母様とほぼ2人できりもりされているそうです。
7〜8月の間はお店を閉じ、今の時期になると週5日製造を行っているが、毎日店番がある為、休日はほぼないと仰っていました。
1日に1,000個以上作る日もあるんだとか。聞いただけで目が回りそうです…。
物価変動もある中で、昔から変わらず、1個50円で販売。破格な上に、これがまたとっても美味しいんです!
「生地の柔らかさと甘さ控えめなところがうちの特徴!」と柿崎さん。
まさにそうなんです!私の知っていたおやきの味とは違ったんです!
是非この味はみなさんにも食べてみてほしい!うっとりしますよ。

12月のやめやきの時期は繁忙期で、予約をしないと買えないほどなんだそうです。
正直驚きました。こんなに地域に根付いている行事だったなんて…。
おやきをスーパー等でよく見かけると思いますが、佐貫食品は他店に卸さず、店頭でのみ販売をしています。
その訳を聞くと、 「お客さんの顔が見えるところで商売がしたい」 という柿崎さんの想いがありました。
買ってくださる方への感謝の言葉を直接伝えたいという、柿崎さんの優しさと、商売人としてのプライドが垣間見えたような気がしました。
その想いはお客さんたちにも確実に伝わっているようで、今では県外からも佐貫食品の味を求めて足を運ぶ方もいるんだそうです。
SNSでの発信をせず、さらには、市街地から外れている場所にも関わらず、おやきだけでこの知名度!
だんだんと佐貫食品の人気の理由が見えてきました。
柿崎さんは幼少期から祖父や母たちの働く姿に魅せられ、日頃からお手伝いをしていたそうです。
そんな生活が当たり前となり、高校生の頃から「祖父の代で店をたたんでしまうのはもったいないという気持ちが自然と湧いてきた」とお話ししていただきました。
「これからは新商品の開発などもしていきたい」とのこと。
家業を継ぎ伝統を守る柿崎さん、そして更なる進化を遂げようとしている佐貫食品、これからがまた楽しみな横手の魅力を見つけてしまいました!
※ 佐貫食品 …〒013-0503 秋田県横手市大森町十日町17

地元の文化を守りたい!
自身の健康だけではなく、家族の健康を祈る日。
18年横手に住んでいながらも、冬になるとおやきが街に並んでいる理由も知らなかった私ですが、この年になっても地元の魅力をまだまだ掘り起こせる!知れる!のは、とても刺激的です。
地域おこし協力隊という肩書きのおかげももちろんありますが、こうして取材をする度に協力隊として、まずは私自身が地元の文化を知り、ワカモノ目線、ヨソモノ目線で発信することが大事だと再確認させられます。
こうした活動をしている私の姿を見て、地元のワカモノが一人でも多くジブンゴトと感じ、地元の文化を後世へ継承していくきっかけになればいいなと思います。
この記事を通してだったり、12月8日のお祭りを通してだったりで、横手にはこういった伝統、風習があることを「知る」から始めるでいいと思います。
もしかすると、私のように地元にいても「病焼き」を知らなかった方がいるのではないでしょうか?
そういったことを知った上で生活すると、生活の充実度というのは大きく変わるはずだと、私は思っています。
「12/8はおやきの日!」と記憶の片隅に覚えておくことから、まずは一緒に始めませんか?^^

12/8はおやきを食べながらYoutubeを見よう!
横手の風習を引き継ぎ、12月8日に開催を予定していた 特別企画 横手駅東西口祭 では、おやきの振る舞いを計画していましたが、残念ながら中止。
でも!
やめやきの意味を知った上で食べるおやき、今までとはひと味違く感じられるのではないでしょうか。
地元のお店ではこの時期おやきが店頭に並んでいます。
ご家族はもちろん、友人や恋人と!もちろんおひとりでも!
そして、自分ではない”誰か”の健康をお祈りしながら食べてみませんか?
私も当日は自分で購入して食べたいと思っています。\(^o^)/
この記事を書きながら今、私はとってもハートフルな気持ちで満たされています。(笑)
おやき片手に、Youtubeで配信されるプロジェクションマッピングを見ながら、みんなで盛り上がりましょう!!
オンライン配信はこちらから
https://youtu.be/XmpKy7htT8Q
