大人も楽しい!鳥海山 木のおもちゃ美術館 に行ってきました!
こんにちは!地域おこし協力隊の吉成です!
こたつから出るのが億劫に思う毎日が始まりました。
最低気温が氷点下に近づくようになってきて、横手の厳しい冬の寒さを思い出しているところです。
今回の取材先は鳥海山 木のおもちゃ美術館 です!
前回の取材時に、おもちゃインストラクターの村上さんという方と知り合い、「ぜひ当館にも遊びに来てほしい」と、嬉しいお言葉をいただき、ちほさんと取材に行ってきました!
木のおもちゃ美術館は、秋田県由利本荘市にあります。
横手市中心街より車で約1時間とちょっと。107号線をずーっと走ります。
訪問した日は生憎の曇天で鳥海山を見上げることは出来ませんでしたが、麓の方は見ることができ、私は興奮してしまいました!
何はともあれ、まずは自分たちが楽しもう!!ということで館内を隈なく回ります!
今回、副館長の佐藤さんに館内をご案内いただきました。ご協力いただきありがとうございます!

もりのあそび場🌲(元の体育館)
実はこの美術館は17年前まで小学校でした。
佐藤さんの学舎でもあるんだそうで、まさか母校で働くとは思いもしていませんでした、と笑いながら話してくれました!
まずは当時体育館として使用されていた「もりのあそびば」から。
この部屋の遊具のほとんどは、県内産の木材を使用しています。

この木立には所々穴が空いていて約200匹の「ひっつきむし」が隠れています。中には珍しい色がいるんだとか?!
道具を借り、「ひっつきむし」探しに私たちもチャレンジ!🔥

見てください!!
木で作られたひっつきむしが穴からひょっこりこんにちは\(^o^)/
か、かわいい…💓
ただ、珍しい色の「ひっつきむし」は見つけることはできず…、残念!

木のどんぐりプールにはなんと約5,000個のどんぐりが!!

写真からもどんぐりたちがつやつや輝いているのが見て取れると思います。
これは遊んでくれる子供達が触ることによってどんどん艶が出てくるそうです!
…ん?
よく見ると、イラストが描かれたどんぐりがありました。

これは、子供達が描いたイラストなんです!
定期的に木のどんぐりにオリジナルのイラストを描くことができるイベントを開催していて、2つの木のどんぐりを作ることが出来るそうです。
その内の1つは自宅へ持ち帰り、1つは館内のどんぐりプールに入れる。
次に遊びに訪れた時に、自分が作ったどんぐりを探す面白さがある!とってもユニークですよね♪
「もりのあそびば」には、26室の「遊びのこべや」があります。
子供達が遊びに集中できるよう周りの目を気にさせない配慮、また、家族の一休みの場にもなるという工夫がされていました。


からくりのへや 
うおー!って驚きながら楽しんでいる私

くみきのへや 
上手に組んでいくちほさん
かまくらをイメージした秘密基地がありました!
これは冒険心をくすぐります!!

かまくらの中には秋田犬が住んでいました!
かわいい!というか、かっこいい!✨

あそびのへや🪀(元の教室棟)
次は当時、教室として使用されていた棟をご案内いただきました!
ここでは、触って遊べるおもちゃがある部屋や、2歳以下の赤ちゃん専用の部屋、地元の木工作家さんの展示が並んでいる部屋など、大人も子供も楽しめる部屋が並んでいます。
触って遊べるおもちゃは、幼児の子を対象とした簡単な積み木から、小学校低学年〜高学年、それ以上の層も脳トレのように頭の体操になるようなおもちゃまで、約100種類以上のおもちゃが並んでいます。
中には、遊びのスペシャリストの投票で決まるおもちゃの賞「グッド・トイ」を受賞したおもちゃが置いてあります。また、毎年その表彰がある為、遊べるおもちゃが毎年変わるんだそうですよ!
常にアップデートがされているんですね!

グッド・トイを受賞したおもちゃの展示 
触って遊べるおもちゃ① 
触って遊べるおもちゃ②
私たちはここで、おもちゃインストラクターの村上さんに様々なおもちゃを教えていただきました。
中には大人でも夢中になるほどの難しいおもちゃもありました。
頭がカチコチの私はどれをやっても苦戦…。
これは小学生と対戦したら、負けるかもしれない?!と思いました。
おふたりのアドバイスのおかげで非常に楽しく遊ぶことが出来ました!
普段生活しているだけでは、脳みそを本当に使ってないな、と実感しました。
こういった場所で定期的に脳みそをフルに動かすことで、運動と同じようにリフレッシュ出来るんですね!
遊び終わった後は運動した後と同じくらいの達成感を感じられました。

村上さんと対戦中の私 
車脱出パズル系に挑戦中の私

立体パズルっぽいのに挑戦中のちほさん 
村上さんと対戦中のちほさん
お腹が空いたら「キッチンカフェkino」へ!
お腹が空いたので、館内に併設されている「キッチンカフェ kino」へ!

これまた見てください💓
木の温もりを感じるご飯!かわいい〜っ!
可愛すぎて食べるまでに何枚写真を撮ったことか…。

kinoで使用されているお米は全て由利本荘市で作られています。
そのお米を炊いている羽釜がこちら!!

この竃、手作りなんです!!
ひとつずつレンガを積み上げ、1週間かけて完成させたんだそうです。
手作りしたのが伝わる味のある竃ですよね!
こりゃ美味しいわけだ。
副館長さんに聞いてみました!
せっかくの機会でしたので、副館長の佐藤さんに美術館の裏側についてお聞きしました。

この建物は、現存する木造校舎の中では県内最大級で、現在は登録有形文化財に認定されています。
平成16年、鮎川小学校が閉校する以前から、有志の方々が学校の保存、利活用について旧由利町の担当窓口と意見交換をすすめていました。
学校をそのまま保持していくだけでも費用がかさむ為、より組織的に利活用について考える必要があったことから、地元の有志の方々が「鮎の風実行委員会」を設立。
地元の方々の協力もあり大切に維持され、平成24年に国の登録有形文化財に認定されました。
また、市の広報誌内の「市長への手紙」というコーナーで、「屋内で遊べる施設が欲しい!」と市民の方々から声が届いたのと同時に、学校の使い道にも悩んでいたタイミングで、東京おもちゃ美術館の存在を知ったんだそうです。
さらに、由利本荘市の75%が森林に覆われていることもヒントとなり、美術館の開業に向け、トントン拍子に話しが進みました。
木のおもちゃ美術館は全国にも数少ない美術館です。
鳥海山 木のおもちゃ美術館は平成30年に開館。東京から始まりお隣岩手県など、全国に8箇所しかない、貴重な体験型美術館です。(12/17時点)
“木のおもちゃ美術館” と一言にまとめても運営方法や特色が異なり、この美術館はNPO法人 由利本荘木育推進協会が運営されているんだそうです。
岩手県の美術館は、木材店さんが運営されているんだそうですよ!
登録有形文化財である国の保有財産であった為、大切に扱う為の苦労がたくさんあったそうです。
傷つけてはならないと慎重になる気持ちもよく分かりますね…。
この美術館は「木育(もくいく)」に力を入れています。
木育とは、子供をはじめ全ての人が木を暮らしに取り込むことによって、森や木との関わりについて考えるきっかけを作ること。
環境問題について主体的に考えようという活動です。
手付かずの森から木を切る → 新しく木を植える → CO2の吸収率が上がる、元気な根を張ることができる為土砂崩れがしづらくなる = 森の保全に繋がる。
さらに、切った木をおもちゃにすることで、雇用を創出し、子供がそのおもちゃで遊ぶ効果にもつながっているんだそうです。

森林とヒトが共存していく為の手段の一つとして「木育」が必要だということを今回、学ぶことが出来ました。
未来を担う子供達に、小さい頃から自分が生きる上で、木が大切な存在であることを知る機会を与えるきっかけとして、木のおもちゃ美術館というのは、今後もっともっと発展していってほしいと思いました。
そして、この美術館へのアクセスとしてオススメなのが、「学校と由利高原鉄道(株)」とのコラボレーションが実現した東日本で初めてのおもちゃ列車です!
ちなみに、このおもちゃ列車は地域の方からの寄付で制作されたんだそうです。
美術館ではなく、列車目当てに訪れるお客さんもいるんですって!本当に珍しいですよね!
是非訪れる際は、おもちゃ列車に乗ってみて下さい!
私は時間の都合上、実際に乗車することは出来ませんでしたが、乗り物好きの私としては見逃せません。
私もいつか必ず乗ってみたいと思っています!!✨

美術館が与える地域への効果と私たちへのあったかさ♡

小さい子から大人まで一緒に童心に帰ってワクワクできる鳥海山 木のおもちゃ美術館は、副館長さんをはじめ、運営スタッフ12名、ボランティアスタッフ約140名の優しさと真心と好奇心が結集した体験型美術館でした!
私が協力隊として地元、横手に帰ってきた理由の一つは、将来子育てをする時に自分が感じてきた環境下で子育てがしたいと思ったからです。
今回「木育」という言葉を知り、学び、「木育」とはヒトとしての原点に戻るということなのかな、と思いました。
のびのびと健やかに生きていく為には、自然の恩恵を受けることが必要なんだと、今回の取材を通して感じました。
地域の声が行政を動かし、それを地域で支えていく。
美術館を中心に理想的な地域の循環ができているなーと、とても感心しました。
地域の皆さんやマナーを正しく守り遊んでくれる来館者の皆さんのおかげで、今は有形文化財登録に向けて頑張っているんだそうです!
これからの寒い季節、屋内で遊べる絶好の場所だと思いますので、ぜひ足を運んでみてください!
遊んで身体があったまるのと同時に、スタッフの皆さんの優しい笑顔から冬でも心があったまる時間になりますよ!^^
鳥海山 木のおもちゃ美術館のHPはこちら(^ ^)↓
https://chokaisan-wtm.jp/index.html