横手の「山内杜氏組合」が設立100周年 100年前の酵母菌で記念酒を発売
秋田県内の杜氏らで作る「山内杜氏(とじ)組合」(横手市駅前町、TEL 0182-38-8652)が4月22日、設立100周年記念酒を県内限定で発売する。
1922(大正11)年に人材の育成や技術向上などを目的に、日本酒の醸造工程に携わる技術者らで立ち上げた同団体が、2022年に設立100周年を迎えたことに合わせて企画した。
「知新温故」をテーマに、100年ほど前に使われていた酵母「きょうかい1号酵母」を使うことを各社で申し合わせながら、蔵ごとにこだわる酒米や仕込み水を使い、それぞれの銘柄として販売する。記念酒を発売するのは以下の10社。
阿櫻酒造(横手市)、大納川(同)、浅舞酒造(同)、那波商店(秋田市)、天寿酒造(由利本荘市)、佐藤酒造店(同)、山本酒造(八峰町)、奥田酒造店(大仙市)、鈴木酒造店(同)、出羽鶴酒造(同)。
4月17日、秋田県庁(秋田市)で開いた記者発表会で、照井俊男組合長は「『きょうかい1号酵母』は泡が出るため、経験のない若手の杜氏は酒造りに苦戦したのでは。私自身は杜氏になって60年になるが、記念酒を発売できたのも皆さんの協力があってこそ。記念酒を楽しんでもらえれば」と話す。
価格は1,760円~2,200円(720ミリリットル)。出荷本数は、10社合わせて約1万本。県内酒販店や秋田県酒類卸(秋田市)のホームページなど販売する。