【名人 森田照雄氏作 わら細工展示会】

～忠義な猫が活躍した明治時代のわらの文化～

昔は特に農村地帯ではどこにでも見られたわら細工作りの風景。だが時代の波にのまれ現代ではここ秋田でさえ、わら細工つくりはもちろん、わら細工そのものを見かけることも少なくなった。

ここ横手市平鹿町で、わら細工の魅力に取りつかれ早20数年。いまや全国より引く手あまたのわら細工の匠、森田照雄がいまだにコツコツと、そして情熱的にわら細工つくりに励んでいる。

地元のお祭りのしめ縄、恵比寿俵はもちろん、大館のあめっこ市、秋田市の土崎曳山まつり、横手のぼんでん等、県内はもとより京都の北野天満宮、岩手、宮城、福井、遠くは九州等、全国の有名なお祭りになくてはならないわら細工を提供してきた。後継者不足に悩む「わら文化の継承」を考える大学や博物館関係者が工房を訪れることもしばしば。

わら細工つくりと本業である農業に従事する傍ら、「先人の知恵を後世に伝えなければ」という思いから高校生へわら細工作りの指導、美郷わらの会の発足にも尽力した。工房には氏の思いが額縁に飾られている。「先人の知恵を目にして我もまた後に伝えしわら細工の技」

この度は地元平鹿町での初のわら細工展の開催です。わら細工の匠、森田照雄が丹精込めて作り上げたわら細工の数々、どうぞご覧ください。

森田照雄　東京･月島に生まれる。7歳より母の実家がある秋田に疎開。60歳よりわら細工作りを始める。現在は自らの工房を運営する傍ら美郷わらの会の顧問、横手エキスパートも務める。