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横手の会社が開発のボート型農薬散布機、稲作農家に普及じわり

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ボート型の農薬散布機の利用が、現在、秋田県南の米農家などで広まっている。

 

農薬を広範囲に散布することができる無人ヘリコプターやドローンの利用には、技能認定を受けたり、使用許可を申請したりする必要があることから、エム・ファクトリー(横手市平鹿町)が2017(平成29)年、水を張った田んぼの水面で農薬を散布することができる、全長約120センチ、横幅55センチ、重さ約10キロのボート型散布機(25万円~)を開発。ラジコンを操作するように無免許で農薬を散布することができる手軽さなどから、これまでに秋田県内を中心に100台以上を販売した。


同社の武藤吉喜社長は「操作はラジコンとほぼ同じ。高齢の農業従事者にとっても気軽に扱える当製品は、隣地へ農薬が拡散されにくい特長もある。米の品質の差別化のために農薬を厳密に管理する『特別栽培』を行う農家が増えていることも当製品の利用が広まっている一因では」と分析する。


横手市内で稲作を行う伊藤博明さんは「自然相手の農作業は、散布が必要なタイミングで確実に対応することが重要。風の強い日には使えないドローンに対して、ボートでは可能な点が1番のメリット」と話す。

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